チームの価値を高める重要性
この記事はは学生フォーミュラの現役学生、OB、審査委員などの関係者によって12/1から25日まで一日一記事づつリレーしていくアドベントカレンダーです。リンクはこちら
前回の記事はうぇい{瀬口大貴}さんの「OBになったその日から」でした。
うぇい{瀬口大貴}さんの記事はこちら
こんにちは、人口が一番少ない都道府県で学生フォーミュラやっていた(まだ現役?)おっぴぃです。
どこかで見たことはあるかもしれません…そう、ちょくちょくTwitterに流れてくるあのメガネです。
何かの縁かお誘いが来ましたので偉大な名前に混じって記事を書きます。
有益な情報を残したい限りですが私がリーダーしてた頃のチームは50位台
おそらく優秀な皆様の知的好奇心を満たすメカニズム系のお話はできません(キッパリ
しかもデザインやコストなど静的審査で点数をとるコツも知りません。
ってか誰か教えて。
…待って!ちょっと待って!ブラウザバックしないで!
どうにかほかの人と違う変わり種な話をしようと考え苦心した末、決めました。
今回、僕は2年間リーダーしてる時に意識し始めた
チームの価値
という抽象的でふわふわしたことを重点に話をしたいと思います。
ちなみに広報関係は同じ大学のうしさんが書いてます。こっちのほうがおもろい。
1.チームの価値とは
まずチームの価値って何でしょうか。
「大会で上位に食い込む実力がある!」「先進的なマシンコンセプトで一目置かれる!」「昔から参戦していて伝統がある!」…とかとか
色々あると思います、これはチームそれぞれの強みであり考え方によって様々です。
ここで私はチームの価値を
いかに大学内外の人間にとってメリットを与えるか
と定義しました。
「なんじゃそれ、学生主体の活動なのになめとんかおめー?ボランティアでもしとけ!!」
まぁまぁ落ち着いてください。
これ見て、エンサインっていうF1チームのマシンなんですけど。(誰もわかんない)
まぁこれには私なりの経験がありまして
チームの運営や外部への交渉をする際に
自分たちと関わるメリットをうまくアピールしないとチームはのびのびと活動できない
と感じたからです。
じゃあ具体的にどんなことがあったのか
色々詰め込むと書くのも読むのも面倒なので、ある一つの事例に絞りますね。
2.チームの価値がないと判断されたら
私たちはフォーミュラ活動をするうえでいろいろな問題点にぶち当たりました。
スポンサーの募集、メンバー集め…きりがありません。
その中で今回は
大学とチームの関係から、チームの価値について説明します。
ちなみにですが私が入学した時のチーム状況がどんなのか知ってます?
何年も度重なる車検落ち、動的未出走が重なり大学内外からの信頼を失っていた弊チーム。
大学内では
工場職員さん「おまえらやる気ないならチームたたんだら?」
事務職員さん「自作の車走らせるなんて危ないですね、学外行ってください」
となり、邪魔もの扱いされているのは否めない状況。
大学公式の広報物で弊チームの存在が確認できるのは工学部パンフレットの小さな写真(写真自体も数年前のよくわからないやつ)
今活動してるの…?大丈夫?
みたいな感じ。
まぁそりゃ当たり前の反応でしょう。
大会では下から数えたほうが早いチーム、何か成績を残しているわけでもなく大学行事にも積極的には参加してない。大学も存在をあまり認知していない。
(ってかチームTシャツすらない。)
そんなサークルかどうかもわかんなく、やってることも満足に説明できない団体は相手にされることはありませんでした。
私は悩みました…。
どうすれば振り向いてくれるか…(恋愛かよ)
…
ここでふと思いました。
チームとして活動するにあたって
相手にとって我々は何かしらやりとりをするメリットがあるように"思わせないと"何をするにもうまくいかない。
私の中で☠PON☠とアイデアが浮かびました。
3.チームの価値どう上げましょ?
さぁ、そうと決まれば今までやってきたことをすべて見直す必要があります。
大学に対して弊チームが抱えていた問題をまとめると
- 大学全体に認知してもらってない
- 自分たちに結果がなくチーム状況もよくないため交渉材料が少ない
その中で学生フォーミュラのチームがあることすら知られていない状態のためまずは自分たちの活動を知ってもらうことが最優先。
在学生へのアピールはもちろんですが、その土台として大学を味方につけないといけません。
そのため至る所に「学生フォーミュラ」の名前が表に出るよう、そして試走の許可などチームの障害をなくすため様々な部署に交渉を行いました。
「でも元々の印象も悪いし交渉材料もあんまりないんでしょ?」
ギクッ
…そのためとにかく自分たちの成績や活動以外の点でアピールしようとしました。
自分たちの活動を「頑張っています、応援して!」という感情だけで説明するのではなく
「学生フォーミュラはそこら辺のサークル活動と違い授業で習った学びを実際にアウトプットできる素晴らしい活動なのだ!!(サークルに所属してる方すみません、当時の考えです)」
「スポンサーもたくさんいて自動車業界も注目してるホットなコンテンツを大学は見殺しにするんですか!!()」
という嘘か本当かもわからない過激な内容を前面に出して、やっている活動を盛り気味で力説。
さらにルール上だめといわれた学内走行も大学規則など読み込むと穴を発見、粘り強く多方面に働きかけました。
とにかく根底には
大学にとって外に実績としてアピールできる学びや就職に関して学生フォーミュラはとても素晴らしいコンテンツだから手伝って損はないよ
そしてもしあなたたちが信じてくれるなら全力で活動するよ
というチームの苦労で同情を誘うのではなく(本当にあるかわからないが)あなたには実益ができると示し続けました。
そうしていくうちに
「こいつらのやってること面白いな、しかも車ちゃんと作ってるし大学規則読み込んで資料まで持参して本気で交渉しにきてるということは、本当は意欲があってちゃんとした団体なんだね。」
なんと今までそっけなかった人たちが振り向き始めました。
そうすると何が変わるかというと
「これは学生主体で学びを実践に移せる素晴らしい活動だ!(職員談)」
「他のサークルとは違う面白い活動だから広報誌に取り上げよう(特集記事バーン)」
「ルール上だめだと思ったけど意外と安全らしいし学内で走行許そう(これは事実)」
etc…
と、大学がどんどんチームを持ち上げてくれました。
つまりここで
この団体は大学にとってプラスとなる価値を持っているから協力しよう
と思われ始めたのです。
もちろん口だけだと本性が出てしまいます。
期待に応えれるよう全力でマシン製作や静的資料を作り、他メンバーの頑張りもあり数年ぶりに動的審査に出場できました。
ちゃんと大学の期待に応えようとする姿を継続して見せれた。
ここまでくればあとは大学の要請にちゃんと応えればよいので
・広報部から記事のネタに困ってるから取材させてと連絡がくる
・ものづくりしてる団体といえば「学生フォーミュラ」となって代表で地域の高校生へ話をする
・工学部の学生相手にオリエンテーションでPV流すことが可能に
・顔見ただけで「フォーミュラの〇〇さん」と言われて大学にこき使われる(?)
と、まぁ様々な場面でチームを「利用」してもらえるようになりました。
これによって大学とチームの関係性として
大学・・・学生や大学外部へのチーム露出及び活動場所の提供
弊チーム・・・大学を代表する課外活動の一つとして活動し、在籍メンバーはみな優秀な人材に成長して大学に貢献←(ほんまか?)
というお互いにメリットを提供できる状態となることができ、最終的に
チームはのびのびと活動できるようになりました。
やったぜ、完。(すみません、これ以上駄文を伸ばす気力はないです)
4.まとめ
あくまでこれは何もなかった持たざる者があがいた一例です。
元々そういうことを考えられてるチームの方は「何当たり前のことを」と思われてるかもしれないです。
それならお時間取らせてすいません。
でも結局他人、他グループと円滑に協力できるのって
「お互い、自分に利益があるかどうか」
に極論行きつくと思います。
スポンサー集めとかも結局は企業様にチームに対して投資する「価値」を見出していただけるかどうかで決まるのではないでしょうか。
スポンサー様のご厚意を「利用させていただく」以上、スポンサー様には我々を「利用していただく」ことが我々が微力でも示せる誠意ではないかなとおもいますし。
スポンサーだけでなく他大学のチームと交流するときもその考えがあれば信用とか評判につながって後々良いことがあるかもしれないです。
まぁ逆に相手にメリットを提供するという考えが抜け落ちた瞬間、チーム外からの目はだんだん厳しくなっていくのではないかなと。
僕はそう感じました。
チームとして価値があれば自然と人も助けもよってくる。
その価値、実は知らないうちにもう手札としては持っているのかもしれない。
ないなら今からでも作る。
とにかく
相手が何を求めているか、自分たちは何を提供できるのか
を突き詰めていくとチームとして活動しやすくなると思います。
5.おまけ
あら、おまけまで見に来たんですか?物好きですね~(突然の挑発)
そんな皆さんへ最後に一枚の写真をお見せし、特定の人に感謝をお伝えしたいです。
この写真、今から10年以上前に撮られた小学生のおっぴぃです。
そして乗っているマシンは確か学生フォーミュラ大会に出場した岡山大学さんのマシン。
まなびピア岡山2007というイベントで展示されていたこの車両に乗せてもらいました。
クソガキ時代のおっぴぃにも笑顔で接していただき
「学生フォーミュラは楽しいよ!君も大きくなったらやろうよ!」
と声をかけていただきました。
その時マシンもチームの方もみんなとてもかっこよく見えたことを覚えています。
私の目標はこの時から
「大学生になったらあのマシンを作っていた大学生さんのようになる」
となりました。
時は流れ…
…なかなかハードモードでしたが何とか4年間学生フォーミュラに関わってきました。
あの目標が今まで自分を突き動かしてきて、改めて大学生活を振りかえってふと思います。
あのときの笑顔がなければ、僕はこの場にいなかったなと
学生フォーミュラと活動を支えてくれた友人
そして岡大の名前もわからないお兄さんたちに感謝です。
…またお土産持っていきますね。
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次回は りくるーと タケシ さんの「わかるようなわからない計測のはなし」です。
お楽しみに~!